天文学で説く「日本書紀」の日付の捏造

454年以前の編集は「日本書紀」編集のときに利用された新暦によって人工的に制作された ー小川清彦(天文学者)ー

第一代神武天皇が最初に建国したのが紀元前660年になっているので、韓中文献の年代別記録とは全然一致しなかったが、第20代安康天皇元年(454年)から、初めて韓中文献の編集記録と一致することになる。このことは以前の編年が人工的に加工されたことを物語るのである。この点を立証した論文が終戦直後発表された小川清彦氏の「日本書記暦日に関して」である。

小川氏は「日本書紀」に記憶された901個の月朔千支(毎月一字千支)を一つ一つ計算した結果、日本書紀の暦日は第一神武から5世紀に至るまで儀鳳暦によって推算してきたが、安康元年(454年)以後からは元嘉暦によって推算されることを明らかににした。

この成果は、終戦後、コンピューターを利用した内田正男氏の計算によって再確認された。

一般的に考えた場合、先に使用された儀鳳暦が旧暦であり、後に使用された元嘉暦が新暦の様に見られるが、実は反対である。先に使用された儀鳳暦が新暦(665年作成)であり、後期に利用された元嘉暦が逆に旧暦(425年作成)である。